Amazon EC2リザーブドインスタンス リージョン単位のインスタンスタイプが柔軟になりました
ども、大瀧です。
本日、EC2リザーブドインスタンスがアップデートされ、リージョン単位におけるインスタンスタイプの扱いが柔軟になりました(価格自体の変更はありません)。解説します。
EC2リザーブドインスタンス リージョン単位とは
EC2リザーブドインスタンス(RI)はEC2仮想マシンの実行を予約買いする利用プランです。キャパシティ予約の有無によってアベイラビリティゾーン単位(予約あり)とリージョン単位(予約なし)を選択するようになっており、リージョン単位では指定リージョン内の任意のゾーンが割引対象となります。購入時には単位のほかにクラスやインスタンスタイプといった要件を入力するのですが、今回はそのうちのインスタンスタイプの要件が柔軟になりました。
単位やクラスについては、以下の記事が詳しいです。
リージョン単位ではインスタンスタイプの合計を考えればOK
従来リージョン単位でRIを購入する場合は、対象のインスタンスタイプと台数を要件として指定する必要がありました。要件と異なるタイプ、台数のインスタンスは実際に起動してもオンデマンドインスタンス(通常料金)での課金となり、割引が適用されませんでした。今回のアップデートで、インスタンスファミリー(c3.largeの「c3」)が同一であれば大きいサイズのRIが小さいサイズのRIに分割して適用されるようになりました(複数の小さいサイズのRIから大きいサイズのインスタンスへ合算での適用もあります)。分割/合算ルールは、以下のテーブルにある数値(Normalization Factor)に従い換算されます。
Instance Size | Normalization Factor |
---|---|
nano | 0.25 |
micro | 0.5 |
small | 1 |
medium | 2 |
large | 4 |
xlarge | 8 |
2xlarge | 16 |
4xlarge | 32 |
8xlarge | 64 |
10xlarge | 80 |
32xlarge | 256 |
例えば東京リージョンにて、リージョン単位でc3.4xlargeのRIを1つ購入すれば、ap-northeast-1aのc3.xlarge 2台、ap-northeast-1cのc3.2xlarge 1台に適用されます。
RIの適用対象を考えるときは、インスタンスファミリーを意識しつつ対象インスタンスの台数とNormalization Factorの合計からリージョン単位のRIを選択するのが良いと思います。
まとめ
EC2リザーブドインスタンスのリージョン単位において、タイプ指定が柔軟になった様子をご紹介しました。以前よりもRIを利用しやすくなる、良いアップデートだと思います。積極的に活用しましょう。なお、アベイラビリティゾーンを指定するキャパシティ予約有りは従来通りタイプを指定する必要がある点、ご注意ください。
参考URL
- Amazon EC2 Reserved Instances now offer instance size flexibility, helping you reduce your EC2 bill
- New – Instance Size Flexibility for EC2 Reserved Instances | AWS Blog
- Amazon EC2のStandard RI/Convertible RIとキャパシティ予約 | Developers.IO
- EC2 リザーブドインスタンスの更新 – Convertible RI とリージョン単位の利点 | Amazon Web Services ブログ